2010年02月14日

未来思考


現在の日本の直面している様々な問題を、未来に向かって考えさせる本といえよう。
最初は、少子化や、グローバル化、技術の進歩とか子供を産む/産まない、失業問題や、貧困問題といった個別の問題を神長先生が、持ち前の統計思考を使って解説している本かと思った。

しかし、裏切られた。

すべてが日本の未来を考えるためのパーツだった。
正確にいえば、我が国の未来をよくする為には「少子化」からくる問題は、はたして「問題」なのかを考えさせてくれる一冊。

年寄りは都市にいた方が幸せか?
生活水準が維持できれば結婚は幸せか?
晩婚・晩産化は医学の進歩で問題なくなったか?
最低賃金があがれば安泰か?

「考える」題材をシャワーのように与えてくれる。

人間が、未来について語るとき、つい明るい未来を展望するものではないだろうか

ちょうど今、バンクーバーオリンピックが始まったばかりだが、誰もが、「上村愛子」選手に期待しており、誰もがフィギュアスケートの浅田真央選手の勝利を期待している。
そこには、未来への希望や、のぞみがある
厳密な確率論から未来予測しているわけではない。

「勝つかな?」ここから「勝って欲しいな」「いや、「きっと勝つ」に変わってしまうものだ。

そうです。スポーツでは、希望と確率的な未来への展望がごちゃまぜになってしまうものです。

本書は、日本の置かれている現状と、その未来について地味でも確度の高い予測を積み上げています
そして、少子化と結婚、都市と高齢化、失業と貧困及びグローバル化について個別に未来への展望を行うとともに、第9章において、「日本は変わるのか」という章で、日本の生産性を上げていく戦略とその要素について考える礎を提供してくれます

神永先生はいいます、「少子化は、本当に問題でしょうか。都市への集中と高齢化は、問題なのでしょうか。少子化を問題としてとらえ、そこで生まれる問題は、少子化を解消しなければ解決できないというものなのでしょうか」

先生は、人口政策に関して言えば、ルーマニアのチャウシェスク大統領の政策例を上げています。かつてチャウシェスク大統領は、「国力は人口である。」という考えのもと過激な人口政策を実施したのです。
例えば、法律で人工中絶を厳しく制限しました。また、子供のいる家庭に月給が27%増えるようにし、三番目の子供が産まれればボーナスが支給されるように、インセンティブを無理やり生み出したのです。
しかし、結果は、経済も発展しないし子供を育てられない貧困な家庭が続出してしまいます。結局、子供たちは街に捨てられ、”チャウシェスクの子供たち“と呼ばれるルーマニアの孤児が、道に溢れかえりました。

まず本書を読めば
新聞や週刊誌で「問題視」されていることを再度、考えるチャンスをくれます
個別にウヤムヤにしてきた「問題」が、からんで日本の未来にどんな影響をあたえるのか考える道筋を与えてくれます

SONYがキンドル−対抗商品をアメリカで先行発売しなければいけない自体に、疑問をもたなかった“あなた”
新聞を読んでいない方、
新聞社は、まだまだ潰れないと思っている方、
中国には失業なんてない!?と思っている“あなた”

この本を読むべきです!
オススメ!
たしか神永先生は海外(インドか?)で教鞭をとるご予定があり、インタビューできないかもしれませんが・・・ブックラリーで紹介したいですね!
タグ:神永正博
posted by カイゼンくん at 18:19| Comment(1) | TrackBack(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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